ヨルムンガンド ②

オンライン書店ビーケーワン:ヨルムンガンド 2

 旅は血だらけ、世は情け無用・・・っと、遠足気分な武器商人御一行の日常! 第二巻
 今巻は商人たちは銃を武器を売る。殺し屋たちがその商人たちを殺る・・・自分の商品に命を狙われるというモノ。
 熱い熱い銃撃戦の真っ只中でのヨナの言葉が実に素晴らしい。

 人殺しを仕事にしている奴が銃を買ってたら、喜んで使うに決まってるじゃないか。
 暴力なんて全然関係ない人だって、目の前に武器があったら―――だんだん心が荒れて、自分でも信じられないような行動をしてしまったりする。
 そういう悪魔みたいな力が武器にはあるんだ。
 ココが売っていているモノは、そういうモノなんだよ。

 武器を憎み武器を信頼して使用するヨナ自身の素直な言葉は、武器の存在に否定的だけど逆に疑問を投げかける命題と化している。
 一方、その言葉をおどけた表情で返すココ。どんな場所であっても切り取られた空間を創り出し和む。
 うん、これだよこれ。ヨルムンガンドはこうじゃなきゃ。

 そして、武器商人の在り方を答えるココの言葉、第十話のホテルへ帰途中に語られる世界の裏側・真実を語るシーンは、背景が夜のため冷めた現実感を突きつけられる。

 フラフラと「矛盾」したことを喋ってイイのは、数多の職業の中で武器商人だけ。

 この発言は、次の話でワイリとの勉強で話題に挙がる中国の「故事」矛盾の逸話は、なるほど・・・という感想と、その話に対するヨナの感想が段々とヨナが武器商人の世界に馴染んできたような一面を感じられた。

 あと・・・サイコーなのが今巻で登場、退場となった殺し屋オーケストラのひとり、チナツのジンクスであるノーパンに対しての各人の疑問に思う表情には思わずツッコミを入れたくなり、後になって語られるその理由にはワラタ。