リヴァースキス / 佐野しなの
やっぁばぁーい。面白いよコレ。なかなかに良く出来たTS(トランスジェンダー)モノです。
この珍妙な物語の始まりは朝起きると自分と女性化した自分自身がいる。自分の身体を取り戻すには「ちゅう」するしかない。しかし、自分に「ちゅう」は吐き気を催してしまう。
主人公が女性の身なりで、男性的な行動または考動、パートナーの性が男であること。「ちゅう」できない理由として出てくる「アイデンティティの喪失」の可能性の示唆が出たときは妙に納得。
新井輝の「Roomシリーズ」にも似ている気もしなくないが、単なるドタバタラブコメディという訳ではなく「性差」と「異性に恋する」ということが見える。
最後の方は、タイトルどおりリヴァース(いえ、ゲロったわけでなく)してる。 そんな善(女性化)が激烈に萌え。
これで終わるのは勿体無い。とても次が見てみたいな、纏めて欲しいと思う一冊。